「空中ブランコ」(奥田英朗)

読んだ本あ行
 
空中ブランコ
奥田 英朗



文藝春秋 2004-04-24
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第131回直木賞受賞作。
太ったドラえもんのような中年の神経科の注射好き医師、伊良部一郎が、その性格でいろんな人を治していく。
伊良部は、最初小児科にまわされたのだが、子どもと同じメベルでけんかするので神経科に転科され、現在伊良部総合病院の精神科医
こんな精神科医がいたら楽しいだろうなあ。
伊良部がでてくる短編5つ。
空中ブランコ
サーカスの空中ブランコが成功しなくなったフライヤーと伊良部。
ハリネズミ
尖端恐怖症のやくざと伊良部。
「義父のヅラ」
嫁の父で上司でもある義父のカツラをはぎたくてならない強迫にかられる医師の達郎が、同じ医学部出身の伊良部の診察を受ける。
「ホットコーナー」
コントロールができなくなったプロ野球選手が、野球はイチローと松井しか知らないという伊良部にかかると。
「女流作家」
過去に書いたことのあるネタなのではないかと不安でたまらなくなる作家の愛子と伊良部。この本では唯一の女性患者。
 
伊良部の姿は映像として見てみたくなる。
俳優だったら誰が演じるかなぁ、と考えてしまう。
看護婦のマユミちゃんも。
伊良部に「いらっしゃーい」と言われてみたい。
「マユミちゃーん」と言うのも聞いてみたい。
この精神科医伊良部シリーズ、書いて欲しいなあ、と思ったら、すでに「イン・ザ・プール」という本が伊良部の本だったのだ。
これはぜひとも読まなくては。
 
イン・ザ・プール
奥田 英朗