「負け犬の遠吠え」(酒井順子)

読んだ本あ行
 
負け犬の遠吠え
酒井 順子



講談社 2003-10
売り上げランキング : 3,260

おすすめ平均
負け犬は一人歩きしたわけではない
悪徳商法にはまるな!
酒井さんの本音のコメントが聞きたい

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ASIN:4062121182
 
「負け犬」とは、著者が言うには、
「未婚、子ナシ、三十代以上の女性」のことを示すらしい。
「負け犬」にも、メスの負け犬と、オスの負け犬があるらしいが、この本では主にメスの負け犬のことを書いてある。
私はこのような人たちを「負け犬」けだとは思っていないのだが、今では流行語のようになっているのでこれからも「負け犬」と呼ぼう。
著者は負け犬のことをよく知っていて、自分でもわかりすぎるくらいわかっている。
同じ立場の人が読むと「そうそうそう、ウンウンウン」とうなずけて面白いかもしれない。
笑える箇所多数。
しかし、アマゾンのレビューはひどいもんだ。
これを書いた人は著者のいうところの「負け犬」なのか、「勝ち犬」なのかどうなのだろう。
人は人、自分は自分なのだ。
世の中にはいろんな人がいるのだ。
みんな違ってみんないい。
私もなかなか結婚できなかったので(今だったら全然余裕なのだが。私の頃は女性は23歳頃までに結婚するのが普通だった)、いなかに住む人が結婚に関してまわりからいろいろ言われるイヤさは少しはわかるような気がして、面白い。

「三十二歳くらいまではまだ、見合い相手は『人間』だったのよ。でも後半になってくると、だんだん人間じゃなくなってきたっていうか、地球外生物っぽい人ばっかりになってくるわけね。ジャバザハット並みの体型の人とかホビット君並みの身長の人とか、カン高い声で『ケケケケケッ』って笑いだす人とか……」
なのだそうです。

ウンウンウン。
私の場合、言わせてもらえば、親戚縁者から「結婚はまだか。まだか。まだかまだかまだか…(以下略)」と言われ、ときには慰められ、しかられ、説教され、やっと結婚したと思ったら、今度は、「子どもはまだか。まだかまだかまだか…(以下略)」とヤンヤと言われ、やっと一人目の子どもができたと思ったら、3日とたたないうちにもう、「二人目は…」と言われたのにはまいった、ていうかあきれ返った。
結局、キリがないってことで、結婚すりゃあいいってもんじゃないのだ。
いやー、ありがたい。ハッピー。(ちょっとグチってみたのでプラスの言葉で取り消し)

さらにそのキラキラした瞳を見ていると、子育てというのは宗教のようなものであるということが、理解できます。その「子育て教」は衰退しつつはあるけれど、ほとんど国教のようなもの。
(中略)
彼らは、子ナシ教という邪教の徒である私のような者を「群れから離れた可哀相な子羊」と見做し、
「女として生まれたのに子供を産まないのはいかがなものか」
「こんなに子供は可愛いのに」
「子供を産まないと、人間としても成長できない」
と、一生懸命に教化しようとして下さる。

ウンウン。
今の地球では、女性が子どもを産まないと、人間として扱ってくれない。
みんな違ってみんないいのにねぇ。