本日の読書

クライマーズ・ハイ」(横山秀夫
読んだ本や行

クライマーズ・ハイ
横山 秀夫

発売日 2003/08/21
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ランナーズ・ハイというのは知っていたが、クライマーズ・ハイもあったのか。

「普段冷静な奴に限ってね、脇目もふらず、もうガンガン登っちゃうんだ。アドレナリン出しまくりながら狂ったみたいに高度を稼いでいくの」
・・・
「興奮状態が極限にまで達しちゃってさ、恐怖感とかがマヒしちゃうんだ」

「読者ハイ」(カタカナのほうがいいかな?「ドクシャーズ・ハイ」。なんだかチューハイみたいだ。)という言葉があるのか知らないが、脇目もふらずにひたすら読んだ、というところ。
そして、最後にはホロリとさせる。
最初、山の話かと思っていたら半分以上は1985年の日航機事故当時の地元新聞社内の話。
地方の新聞社ってこういうのだったのか。
毎日読んでいる地元の新聞とつい比べてみて、へぇー、と思ったりする。

北関が部数を伸ばしたのはな、スポーツと人事で人の名前を目一杯紙面に載せてきたからだ。一昔前まで、スポーツと名のつくものなら、どんな小さな大会でも試合結果と出場選手をブチ込んできた。子供の名前が新聞に出れば親は買う。そうやって顧客を増やしてきた。・・・(略)」

そうそう。名前が載るとつい買いたくなる。
地元にもそういう新聞があるのだが、あまりにも小さい試合とか催し物のことが載っているものだから、あまりその新聞に名前が載っても価値がないのであった。それでもやっぱり名前が載るということは、一般人にとってはうれしい。
それにしても「投稿欄」のことには少し笑った。(投稿については最後のほうで問題が出てくるのだが、それは今書かない)

彼らは何かに憤ったり感じ入ったからペンを執るのではない。常にペンを握り締め、鵜の目鷹の目で「書く材料」を探している。借り物の意見を駆使して、すべての事象を「愛」と「正義」で括ってみせる。・・・

わー。耳が痛い。
新聞に投稿はしたことはないが、「常に書く材料を探している」のはそうだ。
公募の専門誌(?)とかにもそんなこと書いてあったような。常にアンテナをはっていましょう、と。
投稿を小遣い稼ぎにするには、そうしなければいけないのだが。
「愛」と「正義」でなければ、採用してもらえないのでは。
昔は新聞の投稿欄は毎日読んでいたが、最近は読んでいない。
あれを見ていると、本当に同じ人(常連)ばかりだ。それも70代以上の人が多い。
それでなければ、中高生。
その間の年齢の人はわずか。
そして、その新聞社の出している雑誌(?)の記事について書かれたものがよく採用されている。
その新聞の記事に書いてほめたものとかも。
これを見ていると、NHKのど自慢の本番に採用される人は職業で選んでいる、という思いと一緒になってしまう。全然違うか。
NHKのど自慢に採用されやすい職業ナンバー4。(私の独断)
学校の先生と看護師さんと地元の役場関係と漁業。
新聞とは関係ない話になってしまった。