本日の読書

「つるつるの壷」(町田康
読んだ本ま行
 

つるつるの壺

つるつるの壺

 
雑誌に掲載されたエッセイとか集めたもの。
講演もある。講演をしていたのか!
聴きたかった。
こんな面白くて、ためになるエッセイはめったにあるものではない。
素晴らしい! すごい! すごいよ町田チャン。(て、いつのまに町田チャンに?)
町田康さんは猫好きなのか。
猫好きが書いた猫の表現は猫好きにはたまらん。
結婚したとき、妻と一緒にやってきた茶色の奴。

拙宅に二人いる(もう自棄である)猫のうち、鯖のような縞のような、不分明な柄の、雑巾の如き色をした男の猫は、ときには喧嘩もするが、年齢が近いこともあって、私の年来の親友である。例えば、長年、猫と暮らす間、私もだんだん猫のようになってきて、朝、昼、晩、と御飯を貰うのだけれども、どういう訳か、御飯を食べたらすぐ眠くなり、丸くなって眠ってしまう。
・・・(略)・・・
私が目を覚まし、「さあ、次の飯までの間、仕事でもするか」と、仕事部屋に行こうとすると、彼もまた起きあがり、全身をふるふる震わせつつ、はりきって伸びをして、「さあ、俺も仕事にとりかかるか」といった風情で、用事ありげに居間の方に出ていくのである。

なんか良くわからないが、本の書評というか推薦文みたいなのを書いたのもある。
町田康さんが書いたものは全部読んでみたくなる。
特に読んでみたいのは、「ドサまわりの演歌歌手の生活・恋愛・その他を描いたもの」らしい、末永直海著「百円シンガー極楽天使」という本。

作中にる、「見たことも聞いたこともないスターたちのポスター」に書かれた、「『平成の裕次郎』の異名をもつ鳥取の快男児・夢川ひろし!! 『凍っちまうよなブルース』絶賛発売中!」「紅白出場に親子で願かけて……佐渡島子、全国縦断ふれ愛キャンペーン中! 『あんたの頭に雨が降る』!」
・・・(略)・・・
さらに、随所に現れるおそらく筆者自作と思われる演歌の歌詞が実にこれ爆笑で、自分はぜひともこれを音楽として聴いてみたいと思いましたよ。

町田康さんが聴いてみたい演歌って…。
私も聴いてみたいぞ。

これも聴いてみたい。


腹ふり
町田町蔵 北澤組

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